呆れる思い 6

前回のお話はこちら。

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エドヨさんともビアンさんとも連絡しなくなってから半年くらい経ちました。

エドヨさんからは、時々会社の派遣コーディネーターさんに連絡があるようで、

派遣コーディネーターさん「みんな、連絡あったよ!」って島の向こうで言ってたりしたけど、無視。聞こえないふりをしていました。

 

 

 

仕事自体が息苦しい忙しさだったもので。

必死で仕事して、終わったら必死で帰って(混雑と遠距離)、必死で家事…を繰り返す毎日が続きました。

 

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いつもの会社へ向かう地下鉄に乗っていたときです。

途中の駅から知った人影を見つけました。

 

 

…あれ、エドヨさん!?

 

 

なんで…エドヨさんが?、なぜ通勤電車に??

 

或る朝、私が乗る通勤電車に、エドヨさんが乗り込むのを見て驚きました。

 

 

 

もちろん、幻でした。

目を凝らせばそれらしき人はおらず、似た人もいない。

 

 

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出社すると、社員さんの一人から久々に声をかけられました。(いつもみんな遠巻きだったのに)

 

 

 

社員さんA「ねーnara-6joさん、エドヨさんてもう長くないって。もうすぐシぬって聞いたんだけど、ホントなの?」

 

 

 

 

…はあ?

 

…はあぁ!?

 

…こんな、朝イチの忙しい時間帯にして。その発言。言い方!それもみんなに聞こえるような声で!?

 

 

 

私「そうなんですか?! いつなくなるんですか? それ誰に聞いたんですか? 誰情報ですかぁ!? 教えてくれませんか? 誰が言ったんですか?

と、

社員Aさんの肩をガシッとつかんで、しつこく離さなかった私。

 

 

 

社員Aさん「…あ、いえ、なんか聞いただけから。。。あの…」

と、しどろもどろ。

 

 

 

私(…なんだよ。謝罪しないんだ。謝らないなら、もっとビビれよ。)

もうマジ怒り。

 

 

 

トイレに移動すると、今度は派遣コーディネーターさんがいて。

派遣コーディネーターさん「なにもあんな、みんなに聞こえるとこで言わなくても、ねえ」

 

 

私(それは、なにかのフォローのおつもりですか? その人ごとな言い方も十分不愉快なんですけど)

 

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次の休み。

私はエドヨさんのいる病院へ行きました。

エドヨさんはまだ入院していました。

自力で起き上がることは出来なくなっていました。皮膚の色もだいぶ違ってきていました。

エドヨさん「抗がん剤の種類を変えてもらったわ。今まで使っていたのが、あまりに気持ち悪くなりすぎだったから。少しはマシになったわ。」

 

 

 

エドヨさんは、

同じ病室に入院していた嫌なやつの悪口とか、

不手際な看護師とか、

協力してくれない母親についての愚痴とか…

ひとしきり、元気に、文句をたて続けにしゃべっておられました。

 

 

初対面で会った時と同じ。

とにかくお一人で、一方的にしゃべり倒しておられました。

 

 

「じゃあ、またね」。

お互いにそう言って別れた24時間後。エドヨさんは亡くなりました。

 

 

 

続きます。

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