過去に働いていた、派遣先でのお話です。
フロア人数100人くらいの規模で、派遣スタッフの数が4割くらい。
私の指揮命令者は、社員のトキ子さん(仮名)なのですが…
なぜか、他社派遣スタッフの億さん(仮名)がやたらと私に指図してきました。
うん。
引継ぎというより指図。です。
派遣スタッフの億さんは、
- Aのものを「Bだ!」と言って私にBを作成させ、
- Bが出来ると「いいやAだ!私はAとちゃんと言ったわ!」と言い、
- 「ほら、あなたのせいでみんながどれだけ迷惑しているか」
とギャンギャン叫びだす人でした。
億さんの指揮命令者は、私と同じくトキ子さん… で は な く 、
座間(仮名)さんて社員さんだそうですが、外回り営業のためつねに不在。
私の指揮命令者にあたるトキ子さんは、オフィスのはるか向こうに着席しているので、
私たちの様子は見えてません。
近くに座るのは、他部署の人たちばかりでしたので、
億さんが騒いでても無視でした。
だぁーれも、億さんを止めに入ってはくれません。
- 「ほら、あなたのせいでみんながどれだけ迷惑しているか」
…間違えると、社内の人だけでなく取引先まで、ちょっと迷惑がかかるものでした。
(しかし、指示を間違えてるのは誰なのさ)
で、私が謝罪メールを一斉送信して、
私が営業に責められるっていうね。。。
億さんは、一部の製品の在庫管理をしていました。
億さん「これと、これと、ここ。あとこれも。勝手に出さないように!出す場合は必ず私にお伺いをたてること!」
…で、まあその通りにしておったのですよ私は。
なんで私が億さんの言いなりになっているかって、
社員さんが丸投げしてたんですね。業務の引継ぎ・指示を。
社員さんたち「億さんがだいたいのこと知ってるし、億さんとあなたは似たような業務になるから億さんに聞いて」と。
でね。
最初は一部の製品だけだったのですが、
そのうち、億さんは全製品に干渉するように変わりました。
億さん「今までは一部の製品だけ、出庫理由を聞いていたが、今日からはすべての製品について、出庫理由をExcelで出しなさい!」と。
(なんでそんなのが必要なのか。と聞いたら…叫ばれます。罵られます。ええ、すごかったです。そして取引先も出庫理由を求められて大変苦労することとなりました。)
購買に関するシステムの操作方法も、億さんに習いました。
なら…習っ……
残念ながら、この会社、マニュアルがないんだよね。
だから人に聞くしかないんだけど、
億さん最初に言ったことは「こんなこともわからないの!」。
…だってこれ、この会社独自の購買システムだからぁ。
来たばかりの私が知るわけないやん。
億さんの説明は、
Aと言ってるかと思えば、Bだと言い…
Cが要ると言ったり、要らないと変わったり…
聞き返すと怒鳴り。
あげく「出来るようになるまで自分で考えろ。私は知らない」
と言い出しました。
で、私に教えることを放棄した億さんは、
なにやらせっせとPCに向かい、日がな一日入力をしていました。
(いつもうるさかったのに、急に静かになりました)
そしてほどなく、億さんは「結婚するから…」とやめてしまいました。
ぎゃんぎゃん叫んだり怒鳴ったり、罵ったりする人が辞めたから、
静かで平和になると思うでしょーーー
私もそう期待したんだーーー
でもね…
さて。
億さんが会社を去ってからやっと、私に共有サーバーのフォルダを閲覧する権限が付与されました。
で、共有フォルダをのぞくと、ナニコレ…?
なんだかもう、やまほどフォルダが出来ているのです。
作成日付をみると、いつも叫びまくっていた億さんが、急に黙々とPCに向かっていた日です。
何を作ったのだろう…?と覗いてみると、
どうやら、購買申請の書類。
最後まで操作方法を教えてくれなかった、あの購買システムに入力するための申請書類でした。
億さんは、過去に購買システムにご自身が入力した申請書類を、全部共有フォルダに保存していったのです。しかも辞める直前になって、慌てて。
億さんは5年就業したそうですので、5年分。結構な量です。
億さんが去った後、どうしたらいいか。
私が確認せねばならないのは、
一部の製品の出庫管理 ⇒ 全製品の出庫したい理由を、億さんへ申請する。
でも、億さんがいなくなった後は、誰に聞けばいい? 誰に許可をもらうの?
購買に関するシステムの操作方法
そして、
購買システムに入力するための申請書類
以上を社員に聞かねばなりません(ホントはもっとあるけど…)
一部の製品の出庫管理 ⇒ 全製品の出庫したい理由を、億さんへ申請する。
これは、億さんの指揮命令者だった、社員の座間さんをなんとかつかまえて、伺ってみました。
私「在庫を出していいかどうか、これからはどなたにお伺いすればいいですか?」
座間さん「お伺い?」
私「はい。理由もいるんですよね?」
座間さん「そんなもん。要らないけど…」
私「ふぁ…?」
…座間さんによれば、
理由なんて誰も求めてなければ、管理なんてしてないとのことでした。
…あのー。億さんに言われて。。で、取引先さんも必死で依頼のたびに理由出してるんですけど… しかも、一製品につきイチ理由書いてたんですけど。。。
私「じゃあもう『理由要らない』って、取引先に言っていいですよね?」
座間さん「え?いやあ。だって…そうしてたんなら、そのままでいんじゃないの。」
私「だって理由なんて要らないんじゃ… あ、じゃあ一体だれが、『理由と申請が必要』って言いだしたんですか?」
座間さん「…億さんじゃないの。」
私「億さんですよね。億さんがいなくなった今は誰が必要としてるんですか。」
座間さん「…」
私「理由と申請を続行するとおっしゃるなら、今後は誰に申請すればいいのですか?」
座間さん「…」
購買に関するシステムの操作方法
これは、自分の指揮命令者のトキ子さんに聞いて解決。
購買システムに入力するための申請書類も、トキ子さんに聞いてみればいいと思い。
私「メール添付で届いた申請書類は、この(億さんが急に作っていった)フォルダに保存するのですか?」
トキ子さん「…なんて?」
私「メール添付で届いた購買申請の書類です。共有フォルダに保存しますか?」
トキ子さん「さっき、購買システムの操作方法説明したじゃない。聞いてたでしょ。
購買申請書類は、システムの中に取り込んで格納してしまうの。
それなのに、なんで共有フォルダにまで保存するのよ?」
私「あ、じゃあ。この…億さんが作っていかれたフォルダは…」
トキ子「(共有サーバーの中を見ながら)要らないね。いつ作ったの?
え、やめる前日?へ?」
私「トキ子さん、これ要らないんですね。無駄なんですよね。じゃあもう、削除しますね。これ残してたら、共有サーバーの容量食われちゃってますから。」
トキ子さん「え?ダメだよっ! だってウチ、2年ルールあるもん。
一度作成したら2年は残さないとダメなの!」
……。誤って作成したものは、削除すればいいじゃないの。
私が仕事で共有サーバーをひらくと、
あの億さんが無駄に作っていったフォルダが必ず目について…
これがなかったら、サーバーの容量軽くなるのにな…
誰も必要としない(派遣が勝手に作ったルール)ことを引き続けようとしたり。
誤って作成したフォルダも残すと言ったり。。。
億さん一人がいなくなったところで、
働きにくくて困った会社でした。
一度作成したものは2年は保存。
というこの会社の2年ルール。
2年経つ前にアタシはいなくなったし、
トキ子さんも転勤になったし。
座間さんもその後異動したと聞くし。
他の社員さんたちは「ナニコレ知らないー。放っとこう。」って言ってるのが目に見えるし。
きっと、今もまだ億さんが作ったフォルダ、残されていることでしょう。
読んでくださって、ありがとうございます。